私の心は決まった

 私はベルリンの工科大学で、鉱山冶金、とくに石炭学を専攻した。そのころは、一国の産業水準の判定は、その国の石炭産出高でなされていたほど重要なものであり、さいわい私はその方の専門家だった。私の心は決まった。
 まず、石炭技術の復興をはじめよう。そのために若い頭脳を結集して研究所を設立するのだ。こう考えると何かしら急に胸が広々と開けた感じになり、心なしか心臓の鼓動が高くなった。(p.67、l.7-p.68、l.2)