「薬」でなければ、何であるか

 その神秘的な働きを見るにつれ、私のゲルマニウムを薬という範疇に入れたくない気持であることに触れておこう。
 それでは、「薬」でなければ、何であるか。
(中略)
 私は、哲学書の初めに書かれるギリシャ哲人の言葉「万物の根源は気なり」という、その「気」(Luft.Air)という名前がよさそうに思うのだが、どうも通用しそうにない。そうかといって、霊水とか神泉とか呼ぶわけにいかず、いまだに、その命名には困っているのである。(p.143、l.6-p.144、l.11)